ASCO-GI 2020

Abstract 638 肝胆膵癌


HALO 109-301: A randomized, double-blind, placebo-controlled, phase 3 study of pegvorhyaluronidase alfa (PEGPH20) + nab-paclitaxel/gemcitabine (AG) in patients (pts) with previously untreated hyaluronan (HA)-high metastatic pancreatic ductal adenocarcinoma.

First Author : Margaret A. Tempero, et al.

背景

ヒアルロン酸(HA)は膵癌の微小環境において線維化を構成する成分の一つである。PEGPH20はHAを分解することで腫瘍の線維化を改善させ、間質圧を低下させる。膵癌モデルでは抗腫瘍効果とともに、抗がん剤のドラッグデリバリーも改善することで治療効果を示すことが期待された。先行して行われた転移性膵癌に対するナブパクリタキセル(nab-PTX)+ゲムシタビン(GEM)+PEGPH20療法(PAG療法)のランダム化第2相試験では有望な結果が示され、HAの発現状態がバイオマーカーとなり得ることも確認された(HALO 109-202試験)1)
今回、HA高発現の転移性膵癌に対するPAG療法の第3相試験(HALO 109-301試験)の結果が報告された。

対象と方法

18歳以上の転移性膵癌患者でHA高発現であった患者を対象とし、PAG療法群とnab-PTX+GEM+プラセボ療法(AG療法)群とにそれぞれ2:1の割合に二重盲検でランダム化割付された(図1)。
層別化因子は、地域(北米、欧州、その他)であった。
HAの評価はVENTANA HA RxDx Assayを用いて行われ、腫瘍組織の50%以上で染色があった場合をHA高発現と定義した。

治療は、PAG群はPEGPH20 3.0μg/kg(初回は週2回、以降は週1回投与。3週投与後1週休薬の4週サイクル)+nab-PTX 125mg/m2(2週毎)+GEM 1,000mg/m2(2週毎)を投与した。AG群ではプラセボをPEGPHと同じスケジュールで投与し、nab-PTXとGEMも同用量・同スケジュールで投与した。投与は増悪または許容できない有害事象の発現まで継続した。また、両群にデキサメタゾン 8mgと、血栓症予防のためエノキサパリン1mg/kg/連日を併用した。

主要評価項目は全生存期間(OS)、副次評価項目は無増悪生存期間(PFS)、客観的奏効割合(ORR)および安全性などに設定された。
対象患者数は330例が死亡した時点でのOSのハザード比HR 0.67(両側α=0.05、検出力93%)で設定し、500例を予定した。

このコンテンツは会員限定です。ログインをしてご覧ください。

ユーザ登録 ログイン

レポート一覧へ